眼のしくみ: 2008年1月アーカイブ

日常生活を行う上で「眼がよくみえる」状態と「眼がよくみえない」状態とでは、眼がよく見えない状態の方が色々な場面で多くの不便を感じるものです。
眼がよく見えない状態になってしまったら、普通はメガネやコンタクトで視力を矯正したり、レーシック(近視手術)などで視力の回復をはかることになるわけですが、ここで、わたし達の眼はどうやって物が見えているのか、そのしくみについて説明しておきましょう。
 
 
眼の構造

目のしくみを理解するには、カメラの構造を考えてみるとわかりやすいでしょう。カメラのレンズにあたる部分がヒトの目でいうと「角膜」と「水晶体」にあたります。そして、絞りの役割を「虹彩(黒目の部分)」が行い、フィルムの役割をするのが「網膜」です。

これを段階をおって説明すると、

  1. 物から反射された光が網膜に到達します。
  2. 到達した光は屈折して角膜を通過し水晶体まで到達します。
  3. 眼にある毛様体という筋肉の働きにより、水晶体の厚みを変えることによって屈折力を調整します。
  4. 屈折された光はさらに硝子体を通過して網膜に収束され、網膜にある視細胞の悍体と錐体が明るさと色を認識して電気信号に変換します。
  5. 変換された電気信号が視神経を経て脳へ送られます。そこで、実際に見えているような映像として認識されます。


視力の低下

この「角膜」「水晶体」「虹彩」「網膜」の働きが正常に機能しなくなった場合、視力の低下がおこるわけですが、これは、白内障などの疾患を除き上記過程の2と3の光が屈折するときの異常によって起こります。

基本的には角膜というのは変形をしないので、屈折異常が起こるのはほとんどの場合水晶体が原因となります。

毛様体が伸縮することにより水晶体の厚みが変化するのですが、この厚みを調整する機能が正常に働かなくなったために光の屈折異常がおこるのです。

ですから、視力を回復させるということは、毛様体を鍛えることによって水晶体の調節機能を回復させるということになります。
ここでも紹介しているように、毛様体を鍛えるための視力回復トレーニングなども色々提唱されていますが、テレビやパソコン、テレビゲームなどで眼を酷使する現代の日常生活においては、その方法だけで視力を回復させることは困難であるといえるでしょう。

そのために、メガネやコンタクト、レーシックなどの手術により屈折異常を矯正して視力の回復を行うのが一般的となっています。

視力低下の原因は、一般的に環境による影響や遺伝によるものと考えられていますが、はっきりコレといった原因が解明されているわけではありません。

現在いわれているおもな原因は「遺伝」「環境」「眼軸」の3つが挙げられます。以下にこの3つの原因について詳しく説明していきましょう。

  • 遺伝説
両親のどちらかが近視である場合、子供の89%が近視であることが研究によりわかっています。遺伝説は100年近くも前から提唱されている説です。近視は遺伝子レベルで何歳の時に発症しどの程度まで視力が低下するのかまで決まっているといわれています。

現代医学では、この遺伝説が視力低下の一番の原因であるとみている専門家が少なくないようです。
 
 


  • 環境説


現代社会においての日常生活を考えてみれば、この環境説というのもすんなり理解できると思います。

テレビゲームやマンガ、パソコン、テレビの普及により常時近くのものを凝視することの多くなった現代人。この生活環境の変化により、遠くの景色や緑などを見る習慣がなくなってしまったことで、一種の退化のような形で眼の水晶体による屈折調整力が低下してしまったのが原因だとされる説です。
 
 


  • 眼軸説


これは、水晶体の屈折率は基本的に同じだが、焦点を結ぶための網膜が成長の過程で前後になってしまうことにより近視や遠視になってしまうという説です。

仮性近視のように、眼の使いすぎで眼が疲労することによって視力が低下することは医学的にも確認されていますが、この場合の眼の疲労は「環境説」にあたり、眼の疲労の慢性化により仮性近視から近視に発展してしまう場合も多くみられます。

また、「軸性近視」とは眼軸が長い場合に起こる近視ですが、軸性近視までいかなくても眼軸が通常より長めである場合でも、焦点にズレが生じることから視力低下の原因になってしまいます。