眼のしくみの最近のブログ記事
日常生活を行う上で「眼がよくみえる」状態と「眼がよくみえない」状態とでは、眼がよく見えない状態の方が色々な場面で多くの不便を感じるものです。
眼がよく見えない状態になってしまったら、普通はメガネやコンタクトで視力を矯正したり、レーシック(近視手術)などで視力の回復をはかることになるわけですが、ここで、わたし達の眼はどうやって物が見えているのか、そのしくみについて説明しておきましょう。
眼の構造
目のしくみを理解するには、カメラの構造を考えてみるとわかりやすいでしょう。カメラのレンズにあたる部分がヒトの目でいうと「角膜」と「水晶体」にあたります。そして、絞りの役割を「虹彩(黒目の部分)」が行い、フィルムの役割をするのが「網膜」です。
これを段階をおって説明すると、
- 物から反射された光が網膜に到達します。
- 到達した光は屈折して角膜を通過し水晶体まで到達します。
- 眼にある毛様体という筋肉の働きにより、水晶体の厚みを変えることによって屈折力を調整します。
- 屈折された光はさらに硝子体を通過して網膜に収束され、網膜にある視細胞の悍体と錐体が明るさと色を認識して電気信号に変換します。
- 変換された電気信号が視神経を経て脳へ送られます。そこで、実際に見えているような映像として認識されます。
視力の低下
この「角膜」「水晶体」「虹彩」「網膜」の働きが正常に機能しなくなった場合、視力の低下がおこるわけですが、これは、白内障などの疾患を除き上記過程の2と3の光が屈折するときの異常によって起こります。
基本的には角膜というのは変形をしないので、屈折異常が起こるのはほとんどの場合水晶体が原因となります。
毛様体が伸縮することにより水晶体の厚みが変化するのですが、この厚みを調整する機能が正常に働かなくなったために光の屈折異常がおこるのです。
ですから、視力を回復させるということは、毛様体を鍛えることによって水晶体の調節機能を回復させるということになります。
ここでも紹介しているように、毛様体を鍛えるための視力回復トレーニングなども色々提唱されていますが、テレビやパソコン、テレビゲームなどで眼を酷使する現代の日常生活においては、その方法だけで視力を回復させることは困難であるといえるでしょう。
そのために、メガネやコンタクト、レーシックなどの手術により屈折異常を矯正して視力の回復を行うのが一般的となっています。
視力低下の原因は、一般的に環境による影響や遺伝によるものと考えられていますが、はっきりコレといった原因が解明されているわけではありません。
現在いわれているおもな原因は「遺伝」「環境」「眼軸」の3つが挙げられます。以下にこの3つの原因について詳しく説明していきましょう。
- 遺伝説
現代医学では、この遺伝説が視力低下の一番の原因であるとみている専門家が少なくないようです。
- 環境説
現代社会においての日常生活を考えてみれば、この環境説というのもすんなり理解できると思います。
テレビゲームやマンガ、パソコン、テレビの普及により常時近くのものを凝視することの多くなった現代人。この生活環境の変化により、遠くの景色や緑などを見る習慣がなくなってしまったことで、一種の退化のような形で眼の水晶体による屈折調整力が低下してしまったのが原因だとされる説です。
- 眼軸説
これは、水晶体の屈折率は基本的に同じだが、焦点を結ぶための網膜が成長の過程で前後になってしまうことにより近視や遠視になってしまうという説です。
仮性近視のように、眼の使いすぎで眼が疲労することによって視力が低下することは医学的にも確認されていますが、この場合の眼の疲労は「環境説」にあたり、眼の疲労の慢性化により仮性近視から近視に発展してしまう場合も多くみられます。
また、「軸性近視」とは眼軸が長い場合に起こる近視ですが、軸性近視までいかなくても眼軸が通常より長めである場合でも、焦点にズレが生じることから視力低下の原因になってしまいます。
乱視は近視や遠視と同じく屈折異常による目の疾患のひとつですが、その性質は前者ふたつの疾患とは若干違っています。
近視や遠視の場合には、焦点の位置が前方、もしくは後方にズレるために起こる屈折異常です。それに対して乱視の場合は、角膜や水晶体の屈折率が一定ではないために、目に入った光の焦点がどこにも結ばれない状態をさす屈折異常です。
したがって、近視と遠視が同時に起こることはないのですが、「近視と乱視」「遠視と乱視」というように、乱視の場合は他の屈折異常と同時に起こる場合も多いのです。
症状が酷くない場合は問題ないですが、モノが二重、三重に見えるというような場合は矯正しなければなりません。
乱視の原因
乱視の起こる原因は、眼に入った光を屈折させる角膜や水晶体の形状が歪んでしまうために起こります。
実際には、水晶体の形状の変化による乱視はほとんどなく、大抵の場合、角膜の形状がゆがんでいるために乱視になることが多いのです。
角膜の通常の形とは、正面から見た場合円形をしています。断面の形状も上下、左右が対称になっており、きれいな曲線をえがいています。
けれども、乱視の状態の角膜の形状は、円形ではなく楕円形だったり綺麗な曲線になっていません。そのために屈折異常を起こしてしまうわけです。
では、次に乱視の種類をあげておきましょう。
正乱視と不正乱視
正乱視とは、屈折した光が通常のように1ヶ所で焦点を結ぶのではなく、2ヶ所で結んでしまう状態をいいます。
大抵の場合、乱視といえばこの正乱視のことをいいます。
焦点が2ヶ所で結ばれるために、モノがぼやけたり二重に見えたりするのです。
矯正には円柱レンズを使ったメガネやコンタクトレンズを使用します。
一方、不正乱視とは、角膜の異常により角膜の表面が凸凹しているために、どこにも焦点が合わない状態のことをいいます。
不正乱視の場合は、メガネやコンタクトでの矯正が困難な場合があり、レーザー手術で矯正することになります。
老眼とは、医学用語では「老視」といって簡単にいうと「眼の老化現象」ということができます。
眼の中でレンズの役割を果たしている水晶体ですが、焦点を合わせるために使う筋肉(毛様体)の力が弱まってしまうことにより、焦点を合わすことのできる範囲が徐々に小さくなってしまうことによる症状です。
ただ単に、遠くのものはよく見えて近くのものがぼやけて見える状態をさすのではなく、徐々にピント調節する力が弱まってくるため、ピント調節を必要とする範囲が見えにくくなってくる状態をいいます。
一般に老眼は40歳前後から始まるといわれています。
本や新聞が読みづらく、少し手元から話して読む方がラク、と思ったときは老眼の始まりと思ってよいでしょう。
老眼を矯正するのには老眼鏡を使用します。よく、老眼鏡を使うと老眼がすすむといわれますが、これは正しい知識ではありません。
老眼は、年齢とともに肌にハリがなくなったりシワが増えたり、運動能力が衰えたりするのと同じ老化現象なのです。ですから、どんな人であっても年齢とともに出てくる症状なのです。近視だから、遠視だからといったことにも関係なく誰にでもおこってくる症状です。
ですから、老眼がすすんできたのにもかかわらず、メガネやコンタクト等で矯正することなく裸眼のままでいると、眼精疲労を起こし、肩こりや頭痛などの二次的症状も現れてくるのです。ですから、老眼かなと感じたら、早めにメガネ・コンタクトなどで矯正することが必要です。
なお最近では、遠近両用メガネならぬ遠近両用コンタクトレンズというのも市販されています。遠近両用コンタクトレンズなら、近視の人が老眼になった場合でも、近視用、老眼用とメガネをかけかえる必要がないので便利です。